借地権の手引き

借地権付きの建物を査定に出す前にそろえる書類 契約書・登記・公図・測量図

内容の確認日: 2026年11月4日

借地権付きの建物を査定に出す前に、そろえる書類は6つです。借地契約書、地代の領収書、建物の登記事項証明書、公図、測量図、固定資産税の課税明細です。このうち法務局で取れるものは、登記事項証明書と公図と測量図です。

手元にない書類があっても、査定の依頼自体を止める必要はありません。ただ、何が手元にあって何がないかを先に知っておくと、査定の相談が進めやすくなります。この記事は一般的な情報で、個別の判断は不動産鑑定士や弁護士、司法書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

借地契約書と地代の領収書

机の上に開いたノートとペンと眼鏡
写真: Shixart1985 / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

借地権の中身は、借地契約書に書いてあります。査定で見られやすいのは、次の点です。

  • 契約の年月日と期間、更新の有無
  • 地代の額と、改定のしかた
  • 借地の用途(住宅か事業用か)
  • 建物の種類や構造の定め(建替えや増改築の条件)
  • 借地権を譲渡するときの地主の承諾に関する定め

契約書が見つからないときは、地主か、以前の契約を扱った不動産会社に写しがないか聞きます。口約束のままの借地もあります。その場合は、地代の領収書や振込の記録が、借地の事実を示す手がかりになります。

地代の領収書は、直近数年ぶんを集めます。銀行振込なら、通帳の記録でも構いません。地代が値上がりしている場合は、通知の書面も一緒にしまいます。地代の値上げや更新料の考え方は、更新料と地代の記事で説明しています。

地主が代わっていないかも確かめます。地代の振込先が変わっていたら、土地が売られた可能性があります。その場合は、地主が変わったときの記事を先に読んでください。

建物の登記事項証明書

奈良地方法務局葛城支局の庁舎
写真: Suikotei / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

借地借家法10条1項は、借地権の登記がなくても、借地上に借地権者が登記されている建物を持っていれば、借地権を第三者に主張できると定めています。借地権の査定で建物の登記が見られるのは、このためです。建物の名義が自分になっているか、まず確かめます。

建物の登記事項証明書で見る点は次のとおりです。

  • 所有者の名前と住所(亡くなった親の名義のままになっていないか)
  • 建物の種類、構造、床面積(実際と合っているか)
  • 抵当権などの権利が付いていないか

名義が親のままのときは、相続の手続が要ります。借地権を相続したときの地主の承諾は、借地権の相続の記事で扱っています。

建物が登記されていない場合は、別の手続が先に必要です。実家が未登記のケースは、未登記の建物の記事を参考にしてください。

公図と測量図の取り方と手数料

土地の測量に使うプリズムとトータルステーション
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

公図は、土地の位置や形を示す図面で、法務局では「地図」などの名前で備え付けられています。測量図は、土地の面積や境界を示す図面です。借地の査定では、借地の範囲が契約書と合っているかを見るために使われます。

請求には、土地の地番や建物の家屋番号が要ります。法務局の案内では、地番と家屋番号が分からないときは、権利証や固定資産税の納税通知書で調べるか、地図の証明書を請求するとあります。借地人の手元にある課税明細にも、地番が書かれています。

法務局の窓口やオンラインで請求できます。法務省の「登記手数料について」に載る、令和7年4月1日からの主な金額は次のとおりです。

表は左右に動かして読めます。

区分書面請求オンライン請求・送付オンライン請求・窓口交付
登記事項証明書600円520円490円
地図等の証明書500円470円440円

登記事項証明書は、1通が50枚を超えると、50枚ごとに100円が加わります。地図等の証明書の単位は、1筆の土地または1個の建物です。地積測量図や建物図面が表のどの欄にあたるかは、法務省のページでは確かめられませんでした。請求する法務局の窓口で聞いてください。測量図は、すべての土地にあるとは限りません。

オンラインで請求した場合も、窓口で受け取れます。窓口受取でも、手数料を収入印紙で納めることはできません。

固定資産税の課税明細

前橋市の郵便局
写真: Ravi Dwivedi / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

固定資産税・都市計画税の課税明細書は、毎年4月初旬に納税通知書と一緒に届くと、横浜市のページにあります。土地や家屋の所在地は、住居表示でなく地番で書かれます。建物の床面積や評価額も載るため、登記事項証明書と照らし合わせられます。

手元の課税明細に載っているのが建物だけか、土地も含むのかは、先に確かめてください。課税明細の様式や見方は、自治体ごとに異なります。

直近の1〜2年ぶんがあれば足ります。紛失した場合は、市区町村の税務窓口に再発行や証明書の取り方を聞きます。

地主の承諾と、相談先

木々の下に建つ2階建ての古い長屋
写真: Suikotei / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

借地権を売るときは、地主の承諾が絡みます。承諾が要るかどうか、得られないときの進め方は、借地権を売るときの地主の承諾の記事で詳しく書きました。承諾料の目安は、譲渡承諾料の記事で扱っています。

書類がそろったら、査定を頼む先を決めます。借地権の評価は、地代の額、更新の時期、地主との関係などで変わります。借地権に詳しい相談窓口に、手元の書類を見せて相談する方法もあります。

相談の前に、次のものを1つの封筒かフォルダにまとめておくと、話が早く進みます。

  1. 借地契約書(更新時の覚書を含む)
  2. 地代の領収書か通帳の記録
  3. 建物の登記事項証明書
  4. 公図と測量図(取れたもの)
  5. 固定資産税の課税明細

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。手数料は改定されることがあります。請求の前に法務省のページで確かめてください。

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